と、ダンベルプルオーバーをそんな風に感じていないですか?確かにこの種目は、同じ動き(肩関節の伸展動作)は大胸筋にも広背筋にも負荷がかかる珍しいトレーニングです。
この種目の特徴は、「ストレッチ状態で最大の負荷がかかる種目」なので、満遍なく広範囲に負荷を入れたいならば外せない種目。
この記事では
- ダンベルプルオーバーとは?
- ダンベルプルオーバーのやり方
- ダンベルプルオーバー 山本義徳さんの動画
- ダンベルプルオーバーのバリエーション| 立ったままのプルオーバー
- ダンベルプルオーバー背中に効かないときの注意点
- ダンベルプルオーバーをやるときの重量目安
- ダンベルプルオーバーと合わせておこなう背中の種目
について解説します。本記事を読み終える頃には、背中のトレーニングメニューを修正し背中の日の2種目目にダンベルプルオーバーを取り入れたくなるでしょう。約5分くらいで読み終えるので、ぜひお付き合いください。
Contents
ダンベルプルオーバーとは?鍛えられる筋肉部位
胸や背中、三頭筋への効かせ分けに関して結論から言うと
- 胸に効かせるときは、肘を若干内側に絞り
- 背中に効かせるときは、肘を外に開き、軽く曲げます
- 三頭筋に効かせるには、腕を後ろに持ってきた状態から肘を伸ばす
動きをします。そして、より個別部位に負荷を集中させたい場合は以下の3つのポイントを意識します。
- 肘の向き
- 可動域をできるだけ広げる
- ダンベルを下したときに背中のストレッチを感じて、上げながら収縮する意識
この3点を改善することでどの部位に効くかは変わってきます。数あるウエイトトレーニングの種目の中でもダンベルプルオーバーを選ぶ理由は
筋肉がストレッチ(伸びている状態)している状態で負荷が入ることです。
ですので、特に背中の種目でPOFトレーニングを取り入れている方ですと、この種目は外せない種目になります。
ダンベルプルオーバーのやり方
ダンベルプルオーバーが背中に効かせたい場合に見ていただきたい動画が、登録者数55万人をほこる海外フィットネスチャンネルMuscle & Strengthです。解説するのは個人でも人気筋トレ動画チャンネルを持っているScott Herman氏。
【動画目次】
0:00~ ダンベルプルオーバー概要説明
0:55~ ダンベルの持ち方、スタートポジション
1:20~ 胸に効かせるフォーム
1:33~ 背中に効かせるフォーム
2:35~ まとめ 総括
それでは、まず初めに背中に効かせるポイントを解説します。ポイントは4つあります。
①ダンベルプルオーバー|ベンチの向きの特徴
ダンベルプルオーバーのときのベンチの向きには下記の2種類があります。
- ベンチと体と平行な縦向き
- ベンチと体を十字に交差させる向き
どちらが良いのかというと、各々のやりやすさや好みもありますが
- 左右にグラつきにくい
- 肩甲骨がベンチから外れないので腕が振りやすい
- お尻を上に突き出すことで、ダンベルを下す可動域が若干広がる
こういったメリットがあります。
これはトレーニングされる方の体の大きさにも影響されますね。2通りのやり方を実際やってみて、やりやすい方をお選びください。
②ダンベルの下部に両手を添える
ですので、上記の写真のようにダンベル下部に両手を添えると、自然と肘が外に開きやすくなり背中の運動が背部の筋肉に効きやすくなります。
ダンベルプルオーバーのことをストレートアームプルオーバーと呼ばれることもあり、腕を伸ばした状態で上げ下げするやり方が基本的にやり方です。
しかし、ダンベルの重さにもよりますが、腕を伸ばした状態だと肘に負担がかかるのでご注意ください。
③ダンベルを下す|胸と背中に効かせ分けをする
ダンベルを上方に持っていき、肘を軽く外側に開きスタートポジションになります 。
- 胸に効かせるときは肘を若干内側に絞り
- 背中に効かせるときは肘を外に開き、軽く曲げます
この腕を軽く外側に開いたフォームはスタートからフィニッシュまで変わりません。
- 背中を大きく反らしながらダンベルを振り下ろします
- 肩の可動域の範囲内で下せる位置までダンベルを下げる
- 可動域が限界に近づいたときは、お尻を上方向に突き出すと、その分ダンベルが下がりやすくなります。
④ダンベルを上げるときは背中の筋肉で腕を引っ張る感覚を得る
ダンベルを下したときに脇の下(広背筋)ストレッチを感じたら、そのまま広背筋で踏ん張りながらダンベルを戻します。
腕で上げるというイメージでなく、背中の筋肉で腕を引っ張る感覚で戻します。スタートポジションまで広背筋の収縮を感じることを意識してください。
ダンベルプルオーバー 山本義徳さんの動画
ボディビルダーであり、トレーナーである山本先生のダンベルプルオーバーのYouTube動画は是非見ていただきたいです。今回紹介する動画は以下の2本です。
この動画では胸や背中、三頭筋に効かせ分けするポイントも解説しているのでとても参考になる動画でした。また、山本式ダンベルプルオーバーはスタートからストレッチ状態をキープするトレーニングなので他の種目でも応用が効きそうです。
①上腕三頭筋に効かせるダンベルプルオーバーエクステンション
動画目次
0:00~:動画の概要
0:21~:ダンベルプルオーバーエクステンションの紹介
1:00~:ダンベルプルオーバーエクステンションのやり方
2:16~:リバースディップスのやり方
3:20~:トライアングルプッシュアップのやり方
4:25~:まとめとお知らせ
腕を後ろに持ってきた状態から肘を伸ばしながら前方に持っていく動きがダンベルプルオーバーエクステンションの特徴です。
②背中に効かせる山本式ダンベルプルオーバー
こちらの動画は山本先生からパーソナルトレーニングを受けてる山澤さんの動画です。
動画目次
0:00~:ダンベルプルオーバーの紹介
1:10~:胸に効かせるプルオーバーとの違い
1:50~:山本式ダンベルプルオーバーのやり方
4:00~:背中のトレーニングのポイント
4:52~:ダンベルプルオーバー2セット目
6:15~:2セット目を終えた感想
7:00~:ケーブロウ
18:37~:ケーブルロウの感想
19:13~:まとめとお知らせ
こちらの動画では背中に効かせる山本式スローダンベルプルオーバーを紹介しています。また、合間に山本先生が背中効かせる場合と胸に効かせるプルオーバー違いを解説しています。
- 胸に効かせる場合はダンベルを盛った状態で内側に絞り込む
- 背中に効かせる場合は肘を緩めて力を抜いた状態で腕を伸展させる
山本式ダンベルプルオーバーの特徴は、しっかり背中の筋肉を伸ばした状態にするためにストレッチ状態を数秒キープするのが特徴です。
トレーニングを体験したした山澤さんの感想では大円筋の上部に強いストレッチ感が入ると言っております。また、ラットプルダウンよりも効かせやすいのではないかと思うので筋トレ初心者にも勧めてました。
山本式ダンベルプルオーバーのポイントは
腕を内側に絞り込まず肘を少し開いて腕の進展を意識して動作する
背中に上手く効かせることができない人におすすめな単関節種目
ダンベルプルオーバーのバリエーション| 立ったままのプルオーバー
YouTube登録者数2万人いるトレーナーのHirotoさん。いつも軽快なテンポの解説で2~3分で1種目のトレーニング解説してくれます。
動画目次
0:00~:ケーブルプルオーバーの紹介
0:12~::ケーブルプルオーバーのやり方
1:53~:注意点やポイント
今回はダンベルプルオーバーのバリエーションとして立ったままおこなうケーブルプルオーバーが内容です。ジムでベンチが埋まっているときはケーブルを使ったプルオーバーを試して大円筋の下部に刺激を入れてみてください。
背中の最後の仕上げに向いている種目なので、低負荷で高回数おこない背中に縦方向の刺激をいれます。
ダンベルプルオーバー背中に効かないときの注意点
ダンベルプルオーバーの注意点は、下記の4点
それでは細かいポイントを見ていきましょう。
①ダンベルプルオーバーで背中に効かず、負荷が三頭筋が逃げてしまう
肘を曲げ過ぎるとフォームが「ライイングトライセプスエクステンション」の動きになり上腕三頭筋に負荷がかかるトレーニングになってしまいます。肘はあくまでも肘の1点に負担がかからない程度に曲げましょう。
②ダンベルプルオーバーで背中に効かず、大胸筋に負荷が逃げる
大胸筋に負荷が逃げる場合は、下記の図を参考にしながらトレーニングをしてみてください。
肘の向き | 意識するポイント | |
胸 | 肘を内側に絞る(肘の向き前方) | 大胸筋の縦の動きのときにトップポジションで収縮されるのを意識する |
背中 | 肘を外側に開き、軽く曲げる | 腕でダンベル上げるというイメージでなく、背中の筋肉で腕を引っ張る意識 |
③ダンベルプルオーバーで背中に効く前に肩が痛くなる
こういう場合は、肩関節の柔軟性を高めるストレッチを取り入れることをおすすめします。
今回もYoutubeチャンネル登録者数223万人がいる海外フィットネストレーナーのScott Herman氏の肩関節のストレッチを紹介します。
【動画目次】
1:06~ウォームアップ
1:27~長さ調整
1:28~本セット(正面のアングル)
1:38~本セット(サイドからのアングル)
肩関節の可動域が狭い方は、ダンベルを下すときに肩が痛くなってしまいます。可動域が狭い方は積極的に肩関節のストレッチを取り入れましょう。
伸ばす場所は肩の前側、関節包や三角筋を伸ばしたり、肩甲骨が中央に向かって寄る(内転の動き)、肩関節を柔軟にしたい方には重要なストレッチになります。
- まず長さを適当に持ってもらって、肘をしっかり伸ばしたまま後ろに回します。
- 何回か回してみたらチューブの長さを肘を伸ばしながら、ギリギリ回せるくらいの長さに調整することでよりストレッチ負荷が高まります。
肘が曲がってしまうと肩にストレッチがかからないので注意してください。
ポイントは
- ゴムの弾力性でゴムが縮む力で肩を伸ばすこと、なのでギリギリ回せるくらいの長さに調整すること。
- そして、後ろに腕を回したときに親指の向きが上を向いていることです。
- 親指が上方向を向いているということは肩関節がしっかり外旋(外ひねりになっていること)。この外旋の動きによって肩甲骨が後ろに寄りやすくなります。
これらの一連の動作を肘を伸ばしながらゆっくりおこないます。この往復の動きを1回として10回を2~3セットおこなうと肩回りの柔らかくなるので試してみてください。
④「ダンベルプルオーバー」のボトムポジションでは、「胸郭」は大きく開く
「ダンベルプルオーバー」のボトムポジションでは、「胸郭」は大きく開きます。
「胸郭」が大きく開くことにより、「呼吸」がしやすくなります。呼吸法は、グーっと胸郭が広がっていくので下ろしていくときに息を吸って、ダンベルを上げていくときに息をゆっくり吐くようにしてください。
ダンベルプルオーバーをやるときの重量目安
ダンベルプルオーバーをやるときの重量目安ですが、海外筋トレサイトの「strengthlevel.com」を利用することをおすすめします。strengthlevel.comではご自身の体重や経験レベルに合わせて1回あたりのマックス重量の平均がわかります。
1回あたりのマックス重量の平均がわかることでトレーニング目的に合わせた負荷や回数を選択することができます。
上記の画像がURLから入った「STRENGTH LEVEL」のトップページになります。サーチワ欄に「 Dumbbell Pullover」と入力すると男性、女性のダンベルプルオーバーMAX重量の平均を出すことができます。それでは
について見ていきましょう。
①ダンベルプルオーバー 男性重量目安
「Bodyweight」はご自身の体重です。そこから右に移動し「Beginner」「Novice」「Intermediate」「Advanced」「Elite」とありますね、これがトレーニング熟練度レベルを表記しています。
サイト内にトレーニングレベルの明確な定義はありませんが
「Beginner」:初心者、初めてダンベルプルオーバーをおこなう
「Novice」:初級者、トレーニング期間〜1年
「Intermediate」:中級者、トレーニング期間1〜3年
「Advanced」:上級者、3〜5年
「Elite」:エリート、トレーニング期間5年〜
トレーニング熟練度の範囲内はこのような認識になります。
この表はご自身の体重とトレーニング歴が交差する数字の1RM(1回挙上できるダンベルプルオーバーのマックス重量)の統計に基づいた平均値になります。
ご自身のレベルが平均よりも上なのか、下なのか確かめてみましょう。
青枠に注目してください。この場合体重70kgの筋トレ初心者の1回だけ挙げれるダンベルの重さは10kgになります。また、この表に体重とご自身の扱える重量を当てはめ逆算することで自分が現在どの程度のレベルなのかについても調べることができます。
②ダンベルプルオーバー 女性重量目安
次に女性のダンベルプルオーバーのマックス重量の平均を見ていきましょう。女性の場合は体重が男性と同じでも筋肉量が少ないので、体重や経験が男性と同じでも扱う重量は低くなります。
女性の体重・経験値別の平均重量についても見ていきましょう。表の見方は先ほどと同様、体重70kgの初心者の方であれば8kgがMAX重量の平均重量になります。
女性の場合は筋肉量が男性と比べて少ないので、同じ体重同じ経験値だとしても当然扱える重量は低くなります。
③ダンベルプルオーバーの目的別の重量負荷設定
1回で挙げれるマックス重量がわかるとトレーニングの目的
- 筋力アップ
- 筋量アップ
- 筋持久力アップ
に合わせて重量を設定していきます。
例えば先ほどの体重70kgの筋トレ初心者男性の場合、MAX重量の平均は10kgでした。
この場合、筋力アップを目的とするならば負荷強度が90%で4RMなので9kgで4回を3セット行います。ボディメイクを目的とする場合は、負荷強度70%10~12RMなので7kgのダンベルで12回を3セット行います。また、筋持久力の向上を目指すのであれば負荷強度が60%なので6kgのダンベルで20回を3セット行います。
ダンベルプルオーバーと合わせておこなう背中の種目
- 筋肉が収縮した位置で強い負荷がかかる=収縮種目
- 筋肉がストレッチした状態で負荷がかかる=ストレッチ種目
- 上記2つの中間位置で負荷がかかる=ミッドレンジ種目
これら3つの種目を組み合わせたトレーニングをPOF法「Positions Of Flexion」、日本語だと「屈曲の位置」と言います
ラットプルダウン、チンニング、デッドリフト、ベントオーバーローはミッドレンジ種目。POFトレーニングではミッドレンジ種目から始めるのがセオリーとなっているのでこれらの種目から始めるのをおすすめします。
ダンベルプルオーバーはストレッチ種目に分類され、各種のダンベルやケーブルローイングは収縮種目になります。
つまり、満遍なくいろいろな刺激を背中に入れるには1種目に高重量のようなパワーを必要とする種目を選び、次にダンベルプルオーバーのようなストレッチ種目、最後に収縮種目を低重量×高回数で筋疲労させることで背中に様々な刺激を入れることができます。
まとめ
「ダンベルプルオーバー背中と胸に効かせ分けするやり方を解説」の記事はいかがだったでしょうか?
本記事では3つのポイントである
- 背中や胸に効かせやすい肘の向き
- 可動域をできるだけ広げる
- ダンベルを下したときに背中のストレッチを感じて、上げながら収縮する意識
ことについて詳しく解説しました。
正直筋トレ初心者の方には、意識するポイントは難しくなかなか掴みとれない感覚かもしれませんが、何回も繰り返したり、他の種目を通じて筋肉の動きを意識できると次第に効かせ分けする感覚がわかってくると思います。
ダンベルプルオーバーは多数ある背中の種目の中で、ストレッチした状態で負荷がかかる唯一の種目なので、満遍なく背中を鍛えたいときはこのトレーニングを取り入れましょう。
毎日仕事をしながら忙しい合間を縫って筋トレしている人は、プロテイン依存度が高く、必要な栄養摂取にすごく偏りがあります。
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もし、食事のメニューを考える時間や買い出しに時間をかけないで、そして、自宅で料理をする時間や洗い物をする時間を0にすることで、筋肉の成長に必要な栄養を摂り込めるならば、年間何時間節約できるでしょうか?
かかる手間はレンジでチンするだけです。
\ 「身体全然変わってないよ!」とはもう言わせない/