筋トレBig3のデッドリフトの中で代表的なバリエーションと言えば、「床から引き上げるデッドリフト」です。この種目は上背部、下背部、お尻、太ももの裏など全身を鍛えるトレーニングです。
今回紹介するトップサイドデッドリフトは、膝の高さからバーベルを引き上げる種目で背中を集中的に鍛えることができます。
「全身を鍛える床引きデッドの方がいろんな筋肉を鍛えられて良いんじゃない?」
と、思ってしまいますよね?
もちろん、床引きデッドリフトは多関節運動の中でも最も強い股関節を動かし、全身を鍛えられるトレーニングなのは事実です。ただ、部位別にトレーニングメニューを組んでいる方にとってはトップサイドデッドリフトの方がメリットがある場合もあります。
この記事では、
- トップサイドデッドリフトはどんな人に向いているか?
- トップサイドデッドリフトの効果
- トップサイドデッドリフトのやり方
- デッドリフトのサポートギア
- トップサイドデッドリフトのQ&A
について解説します。
この記事を読むことで、週を通して部位別のトレーニングアレンジにより良い変化が加われば嬉しいです。
Contents
トップサイドデッドリフトはどんな人に向いているか?
トップサイドデッドリフトは筋トレBig3の種目を普段のトレーニング取り入れてる方で、脚を鍛える日と背中を鍛えている日を完全に分けている方に向いています。
床引きデッドリフトの初動の動きは脚の筋力を動員するので、脚の日に高重量を扱うスクワットと床引きデッドリフトをおこなうと「オーバーワーク」が気になる方もいます。
同じ日に特定部位を鍛え過ぎても逆に筋肥大効果は期待できないばかりか、筋疲労からケガに繋がる可能性があります。
高重量で負荷をかけた場所は、筋肉や腱を回復するためにも鍛えた部位は2日以上は休めたいものです。
もちろん、筋疲労からの回復には年齢やトレーニング経験年数など個人差がありますし、高重量を扱わない場合は2種目を同じ日におこなうのも問題ないかと思います。
トップサイドデッドリフトと床引きデッドリフトを比べると、トップサイドデッドリフトの方が可動域が短いので高重量を扱うことができます。ですので、背中を鍛える日に高重量で追い込みたいのであればトップサイドデッドリフトが有利です。
また、「床引きデッドリフトは腰を痛めてしまいそうで不安」と感じる方にもトップサイドデッドリフトは腰への負担が少ないのでおすすめの種目といえます。
トップサイドデッドリフトの効果|厚みと広がりのある背中
トップサイドデッドリフトで背中を鍛えると厚みのある僧帽筋、広がりのある広背筋を形成することに繋がります。
それぞれの筋肉の場所や働きを見ていきましょう!
狙っている筋肉の場所や形状を知らないということは、トレーニングにおいて「鍛えたい部位を意識する」ことが難しくなってきます。
ですが、鍛える筋肉の特性や働きを知っておくと、あなたが思っている以上にトレーニングの質を上げることができ、それだけ筋肉に強い刺激を与えることができます。
①トップサイドデッドリフトの効果|僧帽筋を厚くする
シルエットだけが逆三角形のラインになったとしても、背部がのっぺりと薄くてはトータルバランスがイマイチではないでしょうか?
背中の中央に筋肉の厚みをつくるのならば僧帽筋は鍛えておきたい部位です。
トップサイドデッドリフトは体が起き上がるときに肩甲骨周辺から下部にかけて負荷を入れれる筋肉です。
首の付け根の僧帽筋上部はトップサイドデッドリフト鍛えにくいので、シュラッグなどの種目で鍛える必要があります。
僧帽筋 | |
主な働き | 肩甲骨の挙上・下制・内転・上方回旋 |
筋体積 | (参考値)458㎤ |
速筋:遅筋(%) | 46.3:53.7 |
②トップサイドデッドリフトの効果|広がりのある広背筋
デッドリフトのフィニッシュの動きである、体を起こしながら肩甲骨を寄せる動きは脇の下のアウトラインに負荷を加えることできます。
広背筋 | |
主な働き | 肩関節の伸展・内転・水平外転 |
筋体積 | (参考値)550㎤ |
速筋:遅筋(%) | 49.5:50.5 |
背中の中部から脇の下に広がる体の中で面積が最も大きい筋肉が広背筋になります。
腕を前から後ろに引く(肩関節の伸展)や上から下に引く(肩関節の内転)が主な働きになり、この筋肉を鍛えることが逆三角形の体を形成します。
トップサイドデッドリフトのやり方
トップサイドデッドリフトのフォームとやり方を解説します。
トップサイドデッドリフトの動きは、床引きデッドリフトの上半身を起こす動きだけなので、比較的初心者の方でも習得しやすい種目です。
それでは、細かいポイントを見ていきましょう!
①トップサイドデッドリフト|スタートポジション
- 軽く膝を曲げ、バーベルが膝の前くる高さにラックを調整する
- 幅は垂直飛びをしやすい腰幅に開いて、つま先は前に向ける
- 足の真ん中(ミッドフット)をバーが垂直に上下するように足の位置調整します
- この状態を保ったまま腰を落としバーを掴む
バーベルの高さは膝の下、膝の前、膝の上といろいろありますが、バーを握って少し持ち上げたときに、ハムストリング(太もも裏)に負荷がかからない高さに設定しましょう。
肩幅より若干広めで手幅をとり、指の付け根で引っかけるようにバーを握る
(手の平で握りこむと滑りやすくマメができやすい)
- バーの垂直延長線上延長線上に肩甲骨がくるようにする
- バーの真上に肩甲骨がくるようにポジションをとりましょう
- 握っているバーベルの位置が体より遠すぎると腰が丸くなるので気をつけましょう
- お尻を突き出し骨盤を前傾させる
- お腹に腹圧をかけて背部を一枚の板のように真っすぐにする
②トップサイドデッドリフト|バーベルを引き上げる
1.背中に荷重を感じながら体を起こしていく
(背中を丸めないように気をつけましょう)
2.体が直立する前から肩甲骨を寄せ始める
3.広背筋の負荷を感じながら肩甲骨を寄せてフィニッシュです
(背中を反らせ過ぎると腰に負担がかかるので注意しましょう)
③トップサイドデッドリフト|バーベルを下ろす
- バーベルを下げながら肩甲骨を開いて広背筋、僧帽筋を伸ばす
- ボトムポジションでバーベルをセーフティバーにバウンドさせないで切り返す
ゆっくりバーベルを下ろす動作は、筋肉が重力に抵抗しながら負荷を受けている動きになり、「ネガティブ動作」と呼ばれも筋肥大に有効とされています。 筋トレは筋肉をどれだけ縮めてどれだけ伸ばせるかを丁寧におこなえるかがポイントになります。
ボトムポジションまで下ろしたときに、バーベルをセーフティーバーにバウンドさせて切り返す方をジムで見かけますが、バウンドさせると負荷が途中で途切れてしまいます。
負荷が途切れると疲労が蓄積されないので、結果的に効かせられないトレーニングになってしまいます。
トップサイドデッドリフトの注意点
トップサイドデッドリフトは上背部を鍛えることを目的とした種目なので、床引きデッドリフトほど腰を痛めるリスクは少ないのですが、フォームが悪いと対象筋へ負荷がしっかりのらなかったり、腰を痛めるリスクが高まります。押さえておきたいポイントは床引きデッドリフト同様下記になります。
- 背中をを丸めない
- 引き上げるときにバーが体から離れてしまう
- 勢いで引き上げない
- フィニッシュで背中を反らせ過ぎない
①トップサイドデッドリフト|背中をを丸めない
(背中を丸めたり反らせすぎたりすると下背部の1点に負荷が加わります。背中を板のように真っすぐ伸ばして面で負荷を支えましょう)
②トップサイドデッドリフト|バーが体から離れてしまう
デッドリフトはバーを足の真ん中を垂直に上下し、背中を鍛える種目です。引き上げるときにバーが足の真ん中から離れてしまうと腰に負荷が加わるので注意が必要です。
トップサイドデッドリフトのスタートポジションは膝からがスタートですが、足の真ん中をバーが垂直に上下するように足の位置を調整しましょう。
③トップサイドデッドリフト|勢いで引き上げない
全く力が入ってない状態から勢いで引き上げると背中が丸まりやすくなります。
筋トレはスタートポジションから負荷がのった部位に効きやすくなるので、軽くバーベルを上げてウエイトを背中で感じてから引き上げていきましょう。
④トップサイドデッドリフト|フィニッシュで背中を反らせ過ぎない
フィニッシュで極端に背中を反らせすぎてしまうと腰への負荷が大きくなります。必要以上に背中を反らせるのではなくフィニッシュで肩と腰ラインを一直線になるようにします。
特にデットリフトのフォームになれていない方は、最初ウエイトをつけないでフォームチェックしながら練習することを推奨します。
また、ジムに通われてる方はスタッフにフォームを見てもらいフィードバックをもらうのがおすすめです。自宅でトレーニングされてる方はスマートフォンで自分のフォームを動画で撮り、フォームを修正していきましょう。
⑤デッドリフトのサポートギア
ウエイトトレーニングは種目に応じてトレーニング効率をサポートするトレーニングギアがあります。
もちろんギアを使用せずともトレーニングはできますが、使用することでフォームが安定しやすくなったり、対象筋を限界まで追い込むことができるので、今後もトレーニングを積み重ねるのであれば使用することをおすすめします。
トップサイドデッドリフトに向いているサポートギアは2つあります。
- パワーグリップ
- デッドリフトに適した靴
①デッドリフトのサポートギア|パワーグリップ
パワーグリップの効果には、下記の二つがあげられます。
- 手の皮膚の保護、手の皮が剥けることや手のひらのマメを予防
- 握力をサポートすることで、背筋を限界追い込める力が大きくなる
手の皮膚の保護
トップサイドデッドリフトは床引きデットリフトよりも高重量を扱える種目です。
バーベルを素手で握ると、バーベルのローレット(ギザギザの滑り止め)との摩擦によって皮膚がずれるような力が加わります。そして、ずれこんだ皮の部分である深皮と表皮の間に隙間が生じ、そこにリンパ液が溜まることでマメになります。
もし、マメが潰れてしまうと痛みが伴うだけでなく、そこから細菌が侵入してしまい治りが遅くなります。そうなると皮膚が再生するまで、グリップを握るトレーニングが全般ができなくなります。
握力をサポート
高重量のバーベルを離さないようバーベルを強く握ることは、それだけ強い握力が消耗されます。僧帽筋や広背筋に余力があっても、先に握りこむ力が疲労してはトレーニングの継続はできません。ですので、パワーグリップを使用し握力を補助することで、効かせたい背筋を最後まで追い込むことができます。
パワーグリップはウエイトトレーニング上級者が使用するギアだと思われがちですが、初心者の方にも効かせるトレーニングをおこなうために用意したほうが良いアイテムです。
パワーグリップの詳細は「パワーグリップのおすすめ5選|腕に頼らず背筋を鍛える」の記事をご覧ください。使用方法や失敗しない選び方なども解説しております。
②デッドリフトのサポートギア|底が薄くて硬いシューズ
「結論から先にお伝えしますと、ランニングシューズはデッドリフト用のシューズとしては向いておりません」
その理由は、ランニングシューズの特徴であるクッション性や反発力が高重量を扱うトレーニングでは靴底が沈むため体感のバランスが保たちにくくなるからです。
デッドリフトに向いているシューズは底が硬くて薄いこと。
両脚が床にめり込んでいくイメージでバーを引き上げるためには、地面にしっかり押し出す力を伝えるシューズが向いています。
トレーニングシューズの詳細は「ジム用トレーニングシューズのおすすめ7選|種類と用途別の選び方も解説」をご覧ください。
スポーツジムで使用するシューズの特徴を知ることで、靴を購入するときに迷いがなくなります。
まとめ
トップサイドデッドリフトの記事はいかがだったでしょうか?
デッドリフトはバーを下ろす深さやフォームによって鍛える筋肉が変わってきます。
床引きデッドリフト:ハムストリング、お尻、下背部、上背部
トップサイドデッドリフト:上背部
ルーマニアンデッドリフト:ハムストリング
それぞれの特性や違いを知ることで、週を通してトレーニングメニューを組み立てるときの参考になれば幸いです。
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もし、食事のメニューを考える時間や買い出しに時間をかけないで、そして、自宅で料理をする時間や洗い物をする時間を0にすることで、筋肉の成長に必要な栄養を摂り込めるならば、年間何時間節約できるでしょうか?
かかる手間はレンジでチンするだけです。
\ 「身体全然変わってないよ!」とはもう言わせない/