これまでクォータースクワット、ハーフスクワットとパラレルスクワットの方法を紹介しました。今回はさらに深くしゃがむことで下半身の筋肉をパンパンにトレーニングできるフルスクワットを解説します。
「ダイエットや筋トレ効果がものすごく高い」と言われているフルスクワット。
実際、男性だけでなく、女性の方もダイエットやボディメイクのために取り入れています。
フルスクワットをおこなうメリットはそれだけだはなく、身体が本来持っている股関節、膝、足首の可動域をフルに使えるように柔軟性をメンテナンスできる種目でもあります。
この記事ではフルスクワットについてより理解していただくために
- フルスクワットとは?他のスクワットの違い
- フルスクワットにチャレンジする女性が増えている理由
- 自重でのフルスクワットからダンベルスクワットのやり方
- 膝や腰を痛めないコツ
を紹介します。
先にトレーニングのやり方を知りたい方は「2.フルスクワットにチャレンジ!基本のフォームをしっかり解説」からお読みください。ダイエット目的の方は「これを機にフルスクワットで人生最後のダイエットにしましょう!」
Contents
フルスクワットとは?
人間の筋力の限界に挑むスポーツと言えば、オリンピック競技の1つであるパワーリフティングではないでしょうか?
この競技は、筋トレのBig3呼ばれているデッドリフト、ベンチプレス、スクワットの最大挙上重量の合計を競うスポーツです。
そして、パワーリフティングでおこなうスクワットが「フルスクワット」になります。
フルスクワットは、深くしゃがみ込んだときに、膝の上面が股関節よりも高い位置にくること。ザックリとしたイメージですと、お尻を膝よりも下の位置までしゃがむことが目安になります。
フルスクワットをおこなうには
- 股関節
- 膝関節
- 足首
そして体幹部の柔軟性も求められます。
自分の体を支えてしゃがむという行為は、今ではやや少なくなりましたが、和式用のトイレで用を足すというという日本人の行動習慣として当たり前な基本動作の1つでした。
この動作は、股関節や大腿部が1つのユニットとして連動し、全身運動のバランスが整っているかを確認できるという意味でも大切な動きになります。
また、フルスクワットは肉体的、精神的に強い負荷がかかるので、他の角度の浅いスクワットと比較し息が上がってしまいます。つまり、心肺機能が高められるというメリットもあります。
フルスクワットは、下半身に重きを置きながらも全身を鍛えることができます。
さらには上半身と下半身が連動して機能するかを確認でき、さらには心肺機能まで強化できる種目です。
①フルスクワットと他のスクワットの角度の違い?
スクワットはしゃがむ膝の角度によって名称が変わりますが、確固たる角度の定義付けがされていないので大まかなイメージとしてご参考ください。
浅い角度順から
クォーターは英語で1/4を意味します。
クォータースクワットは、膝をまっすぐ伸ばした状態を180度とした場合に1/4程度を屈曲した状態で行うスクワット。
負荷がかかる筋肉は大腿四頭筋がメインになります。
膝をまっすぐ伸ばした状態を180度とした場合に、膝を90度に曲げたスクワットになります。
クォータースクワットよりも可動域が広がるので、動員できる大腿四頭筋がクォータースクワットよりも広くなります。
太もも後面のハムストリング群、大殿筋への負荷は軽微。
膝を曲げたときに、太ももとお尻が床と平行になるようにします。
ハーフスクワットよりも可動域が広がるので動員できる大腿四頭筋がよりも多くなります。
太もも後面のハムストリング群、大殿筋への負荷がかかるエリアはハーフスクワットよりも広くなります。
体幹バランスを維持するときに、腹直筋(腹筋)にも負荷が加わります。
しゃがみ込んだときに、膝の上面が股関節よりも高い位置にくること。
大腿四頭筋、ハムストリング、大殿筋、腹直筋(腹筋)にパラレルスクワットよりも強い負荷が加わります。
スクワットは、関節可動域が広がる(しゃがむ角度が深くなる)に従い、太ももの後ろのハムストリングや臀部(お尻)にかかる負荷が増していきます。
つまり、深く沈む角度が深いほど、動員される筋肉が多くなるので満遍なく下半身の筋肉を鍛えることに繋がります。
②フルスクワットで鍛えられる筋肉
フルスクワットは、パラレルスクワットで鍛えることができる
- 大腿四頭筋
- ハムストリング
- 大殿筋
- 腹直筋(腹筋)
にさらにキツい負荷を加えるスクワットです。
大腿四頭筋、ハムストリング、大殿筋、腹直筋(腹筋)の位置を確認したい場合は、「筋トレBIG3のスクワット効果|呼吸法や膝を痛めないフォームを初心者向けに解説」の記事「1.スクワットの効果、鍛えられる筋肉」で詳しく解説しているのでご参考ください。
③フルスクワットにチャレンジする女性が増えている理由
過去に流行していたダイエット方法に、「置き換えダイエット」というものがありました。この方法は、たんぱく質である肉や魚の代わりに、フルーツや野菜、こんにゃくゼリーなどで1食を置き換えるダイエット方法です。
このダイエット方法には問題があり、自己流で食事を置き換えてしまうと、栄養バランスが伴わない極端な食生活を助長してしまうことです。
その結果、たんぱく質不足により筋肉が分解されて体重が減ることはできました。
このダイエット方法は、当然体に必要な栄養素を補えないので体調不良の原因になるだけではなく、筋肉量が減ったことで基礎代謝が落ちてしまい、通常の食事に戻したときにリバウンドの原因になります。
近年の方法は、極端な食事制限をすることではなく、クロスフィットなど日常生活で繰り返し行う動作をベースにするトレーニングが注目されてきております。日常の動作に必要な筋肉を鍛えて基礎代謝を上げ、全身の機能向上を目的とするトレーニングは男性だけでなく女性も取り入れる方が増えてきております。
そして、スクワットはクロスフィットでも行われている下半身を鍛えるトレーニングメニュー1つです。下半身には全身の筋肉の約3分の2が集まっており、消費されるカロリーも高いことがポイント。ダイエット目的で運動をおこなうさいに、スクワットを特におすすめする理由は1番大きな筋肉を鍛えることで、下半身だけでなく全身の基礎代謝や消費カロリー上げることです。
スクワットは1種目で下半身の複数の筋肉を鍛えることができる効率的なトレーニングです。継続的に大きな筋肉を引き締めることで脂肪が燃焼しやすくなり、リバウンドをしにくい体に変化していきます。
フルスクワットにチャレンジ!基本のフォームをしっかり解説
ここでは、フルスクワットのやり方を解説します。はじめにウエイトを使用しない自重で行うフルスクワットでしっかりフォームを身に着けましょう!
フォームに慣れた後に自宅でもできるダンベルを使用したフルスクワット、その後にスポーツジムでおこなうバーベルを使用したフルスクワットにチャレンジしていく流れが無理のないステップアップになります。
①初心者向け自重で行うフルスクワット
①スタートポジション
1. 脚を肩幅を目安に広げて立ちます。
つま先と踵の角度が外側に45度くらいになるように広げていきます
※膝が極端に内側に入ると、膝に負担が集中し、ケガの危険性が高くなります
※股関節周辺のつまりが解消され、お尻を沈めてからの立ち上がりが楽になります
2. 胸を張り、背筋を伸ばす
3. スタートポジションの段階で軽くお尻を後方に突き出し骨盤の前傾する
4. 両手は胸の前に伸ばすことで体幹のバランスが取りやすく、頭の後ろに組めば自然と肩甲骨が広がり胸が張ります(やりやすいフォームで構いません)
5. 顎を引いて、視線は3m先正面を見る
※視線を足元に下げると、自然と背中が曲がりやすくなります
背中が曲がっていると、曲がった箇所に負担が集中して腰痛の要因になります
②ゆっくり息を吸いながら腰を下ろす
1. 背筋を伸ばしながら、お尻を後方に下げ、次に膝を曲げていく
2. 膝がつま先と同じ方向に向くように下ろしていきます
※最初のスタートポジションでつま先と膝の向きは揃ってますが、腰を下ろす途中で膝が内側に入りぎみになりのでしっかりチェックしましょう。
3.スクワット動きは下半身のみ、上半身は下半身についていくだけ
4.上半身のイメージとして、肩甲骨を寄せて胸を張った姿勢を常にキープ
③お尻が膝より低くなる位置までもっていく
通常、スポーツクラブで教わるスクワットがパラレルスクワットになると思います。
パラレルスクワット以上にお尻を沈めると、膝関節に負担がかかってきますが、今回は膝に負担がかかるギリギリまでお尻を深く沈めてみましょう。
ギリギリまで沈むと、お尻と太ももがプルプル震えてきますが効いてる証拠です。
膝より1㎝でも下にお尻をもっていくことで動員できる筋肉が増え、スクワットはよりハードになってきます。
④ゆっくり息を吐きながら立ち上がる
1. 重心を母指球あたりで感じながらゆっくり体を上げます
2. 素早く行わず、ゆっくり脚の前面である大腿四頭筋と太もも裏のハムストリングに意識しながらおこないましょう
3. 完全に直立してしまうと負荷が抜けるので、直立手前で切り返して下りていきます
ダンベルフルスクワット
自重でのトレーニングは、フォームを取得するという意味ではとても重要なプロセスです。
ですが、自重での負荷には限界があります。そこで、慣れてきたら次へのステップアップであるダンベルを使用したフルスクワットにチャレンジしましょう。
ここまでせっかくフォームを意識してトレーニングしてきたにもかかわらず、ウエイトトレーニングをするようになると、ちょっとフォームが崩れても回数重視、重量重視になりがちです。ですが、基本的な考え方としてまずはフォームありきです。
扱うダンベルは、重さを調整できる「可変式ダンベル」を一押しします。
ウエイトの取り外しができるので、継続的にトレーニングをするならば、扱うウエイトが増していくからです。
ダンベルフルスクワットの基本のフォームは、自重でのフルスクワットと同じです。
ダンベルは両手に1個ずつダンベルを持つやり方と、両手で1個のダンベルを持つやり方があります。
両肩の真下にダンベルを構えます。
両手でダンベルを持つことで、より重い負荷でスクワットを行えます。
体の中心の真下にダンベルのウエイトプレートを持ってフルスクワットを行います。
両手でダンベルを持つ時よりも、体の軸を意識してスクワットが行えるのがポイントになります。
関連記事
自宅用ダンベルの詳細は「自宅用ダンベルのおすすめ商品と失敗しない選び方」の記事をご覧ください。
この記事では、
・可変式か固定式どっちがいいの?
・床を傷つけない為のラバー付きが良い理由
・安いの選んで失敗する残念な方、鉄製をおすすめする理由
・レンチ式、スクリュー式?基本を解説
などがわかります。
自重フルスクワットからダンベルフルスクワット|回数、重量設定
フルスクワットに限らず筋トレにおけるセット数、回数、そして扱う重量などは、当然ながら年齢やトレーニング歴、柔軟性など、さまざまな要素に応じて個人差があります。
自重でのフルスクワット
自重で行うフルスクワットの場合は、効いてる箇所、そしてフォームを意識しましょう。
10回~20回×3セット
どんな筋トレでも成果を導き出すのは適切なフォームから。ウエイトを持たない自体重トレーニングでは、より正確なフォームに近づけるのは比較的容易です。
継続するうちにベーシックな筋力がついていくでしょう。
その後にダンベルフルスクワットを取り入れたり、ジムでバーベルを担いだとしても、自重での反復トレーニングでフォームが養われている分、重いウエイトでのトレーニングフォームを習得しやすいです。
ダンベルフルスクワット
フォームに慣れた後は、負荷を徐々に上げて、限界値の刺激をトレーニングで入れておかないと筋肉はなかなか発達していきません。
そこで考えていくことは
- 「高負荷 低回数」で、がっしりとした筋肥大を意識するか
- 「低負荷 高回数」で、引き締まったスリムな身体づくり
で負荷や回数が変わっていきます。
1つの目安として ボディビルなど筋肉のラインや大きさを意識してトレーニングをする場合は 高負荷の基準:8~12RM(8~12回をなんとかこなせる重量)で3セット
女性であれば、シェイプアップやダイエットを目的としてトレーニングをする場合、軽い負荷を低負荷の基準:20~30RM(20~30回を適度な疲労感を感じる重量)で3セット
また、ウエイトトレーニングであるダンベルフルスクワットの頻度は、トレーニング後2~3日は負荷を加えた筋肉や腱を休ませるために間隔をあけることをおすすめします。
スクワットの平均
上図はstrengthlevel.comのバーベルスクワットの統計データの引用になりますが、ダンベルスクワットを行っている方もご参考ください。
このサイトではトレーニングレベルを初心者、初級者、中級者、上級者、エリートと各体重に合わせてを5つの部類に分けられております。
例えば、体重が60kgの方の場合 、スクワット68kgの重量を1回でもできる(1RM)と初級者に分類されます。
この表を見ると、だいたい自分がどのあたりのトレーニングレベルにいるのか、おおよその目安になります。
※RMとはRepetition Maximumの略で、Repetition(繰り返し)Maximum(最大)。つまり繰り返しできる最大の重さを指します。例えば1RMはその人が1回“だけ”挙げられる重量のことを指し、同様に10RMであれば10回“だけ”挙げられる重量を指します。
また、もっと詳細にご自身のスクワットレベルを知りたい場合は、詳細ボタン(CALCULATOR)をクリックしてください。
ここではご自身のデータを入力することで、平均表よりも詳細なトレーニングレベルを知ることができます。
一例として私の普段おこなうデータを入力してみました。
・男性 40歳
・体重70kg
・トレーニング種目 バーベルスクワット
・扱う重量 100kg
・回数 10回(10RM)
これらを入力して結果としてわかることは、トレーニングレベルは中級者であること、1RM133kgということがわかります。
ダンベルスクワットの重量|目的別に設定
ダンベルスクワットをする場合、トレーニング目的によってレップ数(REP挙上回数)を決めて、それに合わせて重量設定をする必要があります。
トレーニング目的
・筋力アップ
・肥大及び筋力アップ(ボディメイク)
・筋持久力アップ
「そこまで筋肉が大きくないのに力がすごく強い方、たまに見かけませんか?」
そういった方は、筋量ではなく筋力が強く、トレーニング自体も筋力を強くするためのトレーニングを優先して重量設定をしている可能性が高いですね。つまり、ボディビルダーの選手とパワーリフティングの選手では同じ筋肉に対してもトレーニングが異なってくるということです。
ダンベルスクワットの重量設定|筋力アップ
筋力アップを目的とする場合、扱う重量が重く(1RMに近く)その分挙上回数は少なくなる傾向にあります。具体的には1〜5回が最も有効な挙上回数とされています。これは1RMに対する重量比に直すと概ね87〜100%になります。
関節への負荷も大きく、あくまで物理的刺激を多く入れることが目的なのでインターバルを長く取り、しっかりと高重量を扱うことを意識します。
ダンベルスクワットの重量設定|肥大及び筋力アップ(ボディメイク)
筋肥大に最も有効とされる挙上回数は6〜12回です。これは1RMに対する重量比に直すと概ね67〜85%になります。6〜12回と幅が広いですが、筋肥大を狙う場合には10回以上を目指しましょう。
また、筋力アップ目的の6回に近い挙上回数であるほど筋力アップという面も兼ねています。筋力アップを狙う場合と比べるとインターバルは短め、また挙上のスピードは遅くなる傾向にあります。これは筋肉にしっかり効かせてネガティブ動作やパンプアップといった狙いも兼ねているからです。
ダンベルスクワットの重量設定|筋持久力アップ
筋持久力の強化を狙う場合には12回以上のRMでトレーニングをおこなうようにします。
これは1RMに対する重量比に直すと概ね〜65%になります。回数を行うために扱う重量は比較的低くなります。また、回復も早いので高頻度で行うことが重要です。
マラソン選手と短距離走の選手を比べると分かる通り、繰り返しが多くなればなるほど、筋肥大は起きづらく、細くて反復に強い筋肉ができます。
トレーニング効果を引き出すサプリメント
せっかく1種目で複数の筋肉をハードに鍛えることができるフルスクワットを取り入れるならば、トレーニングとセットでサプリメント(栄養補助食品)を摂取することをおすすめします。
しっかりフルスクワットで負荷を加えたとしても、必要な栄養素が不足しては体づくりはできません。
効率的なトレーニングは
- ケガを防止するトレーニングフォーム
- ご自身に合った負荷
- 筋肉の土台になる栄養
の3つのポイントは欠かせません。
また、トレーニングに必要な様々な栄養素が体にどういう効果を促すのかのかという前提知識があると、不必要にサプリメントを選ばないことにも繋がります。
詳しくは「継続して筋肉を積み重ねていくためのポイント」をご参考ください。
まとめ
自重でのフルスクワット、ダンベルフルスクワットの記事はいかがだったでしょうか?
フルスクワットはタプタプになった脚やお尻の筋肉を鍛えるのにとても有効なトレーニングです。
最初は関節可動域の狭いクォータースクワット、ハーフスクワット、そしてパラレルスクワットからチャレンジして徐々にフォームや関節の柔軟性が慣れていく必要があるかと思います。
ただ、年齢を重ねれば重ねるほど、関節は硬くなって可動域が減っていくもの。それは、年齢だけの問題だけでなく、日常ではなかなか動かす機会がなかったことも要因ではないでしょうか?フルスクワットは可動域を維持するという意味でも大変有効な種目です。
今までフルスクワットをやったことがないという人は、一度その効果を体感してみてください。
毎日仕事をしながら忙しい合間を縫って筋トレしている人は、プロテイン依存度が高く、必要な栄養摂取にすごく偏りがあります。
だから、多忙なあなたでも、毎日身体に必要な栄養を摂りながらトレーニングの結果を体感できる食事のサービスが【宅配デリ】です。
もし、食事のメニューを考える時間や買い出しに時間をかけないで、そして、自宅で料理をする時間や洗い物をする時間を0にすることで、筋肉の成長に必要な栄養を摂り込めるならば、年間何時間節約できるでしょうか?
かかる手間はレンジでチンするだけです。
\ 「身体全然変わってないよ!」とはもう言わせない/